とんがりボウシと魔法の365にち 〜ほしぞら魔法学校より〜 Part3
104話*何となく、って素晴らしい言葉じゃない?

「そういえば……」

杜若が、ふと思いついたように言った。

「お前って、好きな人とかいるわけ?」

「は、はいぃ!!??」

な、なな何でそういう展開に!!??
訳が分からないよ!

「んー、何となく。

そんな風に思ったから?」

「意味分かんない……」

っていうか、言いたくないし!
ゆうきに言って、ていうか無理やり言わされて
ヒドい目に遭ってるんだから、
もう言いたくないし言わない!

「で、どうなんだよ?」

う……いないって言っていいかな?
いや、いいよね?

「いないよ」

「ウソだー」

「何で!!??」

「いやめっちゃ目泳いでるし」

「そんなことない! ホントだよ!」

「ふーん、へー、そー」

絶対信じてないよこの人!
いいよもう!

「っていうか、いい加減おろせぇーっ!」

「やだし。絶対どっか行くから」

「そりゃね!」

杜若といるとロクなこと起こらないし!

「ていうか、もう追って来てないし、いいじゃん」

「イヤだよ」

何で!!??
意味分からないよ、ホントに!

「あっ、そういえばさ、アイツ等なんだけど」

「えーと、どこのどいつの話?」

「てんまとあの女。

ホントに決闘だったのか?」

「な、何で」

「いや、そういう風に見えなかったから」

「しっ、知らないよ!」

「知ってるけど言いたくないって顔してるけど」

そんなことはない、と思う!
それに、言ったところでまた戻ろうなんて
言われても迷惑だもんっ!

「で、ホントは何だ?」

「し、知らないってば!」

「ウソつくなよ。

それとも自分にとってイヤなことなのか?」

「そ、そういうわけ、じゃ」

「じゃあ言えよ」

何で命令形……?
あたしに拒否権ないの?

って、さっきからずっと思ってる。

「ほれ、早く」

「……く」

「は?」

「告白、するんだって。

千夏がてんまに……」

「ふーん、何か面白そう」

「お、面白くないでしょ!」

「いや、他人の色恋沙汰に首突っ込むの好き」

悪趣味だぁーっ!
ゆうきと似てるね!

っていうか、野次馬みたいなものだよね!

「というわけで、行く」

「一人で行けーっ!」

「いいじゃん、別に」

「や、やだ! 行きたく、ない……!」

気がつくとあたしの目から涙がこぼれていた。

すると、杜若はギョッとしたような顔で聞いてきた。

「え、いや、何で泣いてんだよっ」

「なっ、泣いてない!」

「……! ま、まさかお前……

アイツのこと――……」

「そっ、そんなこと、ない!」

あたしは大声で杜若の声を遮った。
こうでもしなきゃ、自分が壊れる気がした。

「……あー、はいはい。

じゃあもどるよ、戻りますよー」

杜若がヤレヤレ、って感じで言う。

……あたしは、意気地なしだもん。
どうせ一生……このまま。

それは、あたしが一番知ってるもん……。

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