とんがりボウシと魔法の365にち 〜ほしぞら魔法学校より〜 Part3
105話*ずっと、ずっと(千夏SIDE)

あたしは今日……てんまに告白するって決めてるから。
てんまがあたしのことどう思ってるかなんて、
関係ないよ……。

あたしはてんまの腕を引っ張って、
森の方までやって来た。

「……話って、何だよ」

てんまが言う。

あたしが言おうとしたその瞬間……

「てんまは実はあさひのことが

大好きなんでーすっ!」

……えぇぇ!!??
てんまって男の子に興味あったの!?

「なっ……! 今の声杜若だな!」

「て、てんまそれって本当……?」

「んなわけねーだろーっ!!??

おいこら杜若ぁーっ!!!!」

てんまが叫ぶといきなり黄緑頭の男の子が現れた。

「へっへっへー、来ちゃったぜっ!

因みに誰だかしらんけどアンタ、てんまは

実は男が大好きな人だから近寄らないほうがいーぜ」

えぇぇっ!!??
てんまって男が好きなの?

「え、そ、そうなの?」

「何でアッサリ信じるんだ!!??

オレは男に興味ねぇーっ!」

てんまが叫ぶ。
すると草むらの方がガサッと音をたてる。

「えーっ、じゃあてんま二股っ
!!??

杜若も好きなんだよね!!??

……って、あ」

「何でお前までいるんだよ……」

「ショート!?」

何でこんなとこに!?

「ショート、その誤解は真面目にやめろ!」

「自分に火の粉が降りかかったとたんにテメェは!」

「まぁいいやっ、逃げるぞっ!」

「えっ、あっ、待ってよーっ!」

「ほれ早くしろっ」

「わっ!」

2人はまたどっか行ってしまった……

そ、そうだ、今のうちに言わないと!

「て、てんま!」

「な、何だよ……」

そうだよ……今言わなきゃ……
今までずっと思ってたことを……

「あっ、あたし……ず、ずっと前から……

てんまのこと、好きだったの……!」

い、言っちゃった……!
いや元々言うつもり、だったけど……。

「え、えーと……はい?

意味がよく分からないんですが」

「だ、だから……あたしは、あんたのことが……好き、なの!」

「な……っ!?」

あたしは顔を真っ赤にしながら言う。
けど言われたてんまも顔を真っ赤にしてた。

でもあんだけ色んなことしてたしな……
当然って言えば、当然?

「……いや、あの、ゴメン……。

オレ、お前をそういう風に見たことはない、し……」

「知ってるよ」

「は?」

「何となくわかってたし。

まぁ、てんまはどうせあたしだけじゃなくて

千春姉ちゃん達もそうでしょ?」

「まぁ、そうだけど……」

4人で散々いじってたからねぇ。

……でも、やっぱ……。
あんだけ長い間想ってたのに……
そう言われるのは、辛い、かもね……

「それに……」

「? それに?」

「オレは……好きな人が、いるから」

「……へぇ、誰?

あたし言ったんだし、教えてくれてもいいよね?」

「……アイツだよ……ショート」

えぇぇえええ!!!???

じゃっ、じゃあてんまとショートって……
両思い、だったの?

全然そうは見えないんだけど……
どんだけすれ違ってるわけ?

「い、いつから?」

「……結構前からですが」

っていうことは、別に嫌われてなかったんじゃ?
このチンチクリンくんもだけど、
ショートもかなり鈍感だね。

っていうか、2人が鈍感だから互いに気付いてないのか……

「結構前から……なのに何で好きって言わないの?」

「い、言えるかバカ……。

つーか、はっきり嫌いって言われたことあるし」

今言ったら逆に喜ばれると思うけどねー。
でもそのままの方が面白そうだし、
この2人のことは放っとこう。

「まぁ、頑張りなさいよ!

あたしはショートの好きな人知ってるけどね」

「なっ……だ、誰だよ?」

「教えなーい」

「な、何でだよっ」

「てんまには教えない!

自力で判断することねっ」

あたしはそう言ってその場から去っていった。

多分、絶対気付かないんだろーね!
あたしはそんな気がする。

誰かに言われなきゃ、分かんないと思うな……あの2人は。
鈍感ってのも面倒ね。

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