108話*私を……!?
えーっと、あさひはApple魔法学校にいるんだっけ。
「よーし、行くぞーっ！」
あたしはApple魔法学校の学生寮に……。
まだ学校にいるかな？
それとももう戻ってきた？
なんて思いながらあさひの部屋をノックする。
すると、中からあさひが……。
「あれ？ ショート？
僕に何か用事？」
「本当に用事があるのはゆうきなんだけどね！
あのねー、ゆうきがお礼したいんだって」
「え？ 何の？」
「ゆうきに何かのブローチあげたんでしょ？
でね、ゆうきがお礼したいって……」
「え、そ、そうなの……？ 別にいいのに」
……やっぱりあさひは優しいよね……。
どこかの誰かと違って……!!
何でゆうきは嫌なのかなー。
「それでねー、そのお礼が……………………だって」
「え、ええぇぇぇ!!??」
あさひの顔が一気に赤くなる。
……まあ、いいよね。
いつもの仕返しと……素直じゃないゆうきのためだよ。
ついでに一途なあさひのためでもあるけど。
「だからちょっと待ってて！
ゆうき連れてきてあげるよ！」
あたしは駆け足でまたほしぞら魔法学校に。
すると、目の前にはゆうきが。
「あ、アンタ……何言ってきたわけ……!?」
「えー？ えっとねー、ゆうきがお礼に自分をあげるって……ぐえっ」
「ななな何言ってんのよーっ!!??
そんなつもりないわよーっ！」
……お礼もそうだけどある意味お詫びでもあるよね、これ……っ!!
「でも、じゃあどうするのー？
普段あんなんだしー、いつか愛想尽かしちゃうかもねー」
「べ、別にどうでもいいわよ、あんなの！」
「へぇ、じゃあ、あさひにゆうきがあさひのこと死ぬほど大嫌いだから別れてほしいって言ってたって言っていい？」
「……!! あ、アンタねぇっ……!!」
「もうちょっと素直になればいいのに。
あんなにゆうきのこと愛してくれるのは、世界中探したって、あさひしかいないと思うよー？」
「……そりゃ、そうかもしれないけど。
アンタに素直になれとかは言われたくないわ」
「うるさーいっ！
……ま、行ってあげなよー」
「……ふん、しょうがないわね……」
そう言ってゆうきがApple魔法学校に行く。
このあとどうなるのかな……!!
ついてってみよーかな？
……なんて思っていると目の前にてんまが。
「……お前、そこ邪魔」
「邪魔って何……!!
ムカつくからずっとここにいてや……」
「ショートーッ!!」
ドスッ、という音と共にあたしは倒れる。
なんか、誰かに抱きつかれたような……？
「こ、コハ……」
「りんねが何か怒っちゃって……どうすればいい!?」
そう言ってあたしにしがみつくコハ。
そしてものすごい勢いでコハのことを睨むてんま……。
っていうか、りんねのことはあたしよりコハの方が知ってるんじゃ……？
「昔の話してたら急に怒り出して……助けてくれよーっ！」
「でもあたし分からな……」
「ショートにしか頼めないんだよーっ！
女の子同士ならりんねも……な!?」
「う……、わ、分かったよ……。
ていうかコハ……重いよぅ……」
「あっ、ゴメン！」
慌てたようにしてどくコハ。
でもりんね、怒ってる時怖いんだよねぇ……。
ちょっと……やだなぁ……。
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