行かなきゃ……だけど、行けない……。 どうしよう……。 あたしは今、りんねの部屋の前にいる。 なかなか入れない。 ……怖いから。 「……入ろう!!」 あたしは扉を思い切り開け放つ。 中には哀しそうな顔をしたりんねがいた。 …………あれ? 「り、りんね……?」 「……ショート……、何?」 「え、あ、いやその……。 な、何してるのかなぁって……」 「……別に何もしてないわよ」 うっ……。 理由は言えないし…… 変なこと聞いてりんね怒らせる訳にもいかないし……。 ど、どうすればいいんだー!! 「……ねぇ、ショート」 「えっ、あっ……な、何?」 「ショートは……約束とか……昔のことでも守る?」 や、約束……。 守らないこともないけど……絶対覚えていられる自信は……ない、な。 「……び、微妙かなぁ……」 「そう……」 「あっ、も、もしかしてー、その事でコハと何かあったのー……?」 む、無理やりっぽい……!? いや、そんなこと、ない、はず……!! 「……そうよ。 ひょっとして、その事聞きに来たの?」 「えっ!? い、いやそういう訳じゃ……!!」 「いいのよ、別に。 最初からなんとなく勘づいてたし」 ば、バレてたのっ……!? や、やっぱりりんねは鋭いなぁ……。 「まぁ……、あたしとあの子は違うから……。 仕方のないことなんだけど……ね」 「……? 何があったの……?」 「あたし……12年前にあの子と約束をしたの……」 「約束……?」 約束って、何の約束だろう……? 「まぁ、12年も前の約束……覚えてなくたって、しょうがないわよね。 ……でも……、あたしにとっては……」 りんねはそう言いながら、一筋の涙を流した。 ……えーと……、どうしたらいいのかなぁ……? 「りんね……?」 「ゴメン……少し一人にして……」 「……うん、ゴメン……」 あたしは部屋を出て、静かに扉を閉める。 ……りんねの話を聞く限り、コハが昔の約束を忘れちゃってて……。 それで、りんねが怒った、と……。 つまり、コハがその約束を思い出せば、りんねの機嫌も良くなる、と!! でも……12年も前のこと……、思い出せるかな……コハ。 [先頭ページを開く] [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
[編集] |