110話*思い出せ!!
「あっ、ショート!!
何か分かった？」
コハがあたしの所に来る。
うーん……。
分からなかった訳じゃないけど……。
りんねはコハが昔の約束を忘れちゃったから怒っている……ってことで、いいのかなぁ？
正直、確証ないから……何とも言えないよね。
「……ん？ あれ、てんまも来てたの？
てっきり戻ったのかと……」
「……いちゃ、悪いかよ……。
つか、オレいたらダメなのかよ？」
「い、いや、そういう訳じゃ……。
ただ何でいるのかなぁって」
な、何かてんま怒ってる……？
ものすごく不機嫌なんだけど……。
あたしのあの台詞がダメだったのかなぁ……？
うぅ、コハはりんね怒らせちゃうし……
何て日だ!!
「とっ……ところでコハ……」
「ん？ 何？」
「こ……コハってさぁ……」
言え、言うんだ自分!!
今しか聞くチャンスないよ!!
「その……昔、誰かと約束……とか、したことある？」
「約束…………？
いや……ないと思うけど」
「そっ……、そう……」
コハはキョトンとした顔であたしを見る。
ダメだ……。
コハ、絶対りんねとの約束覚えてないよ……。
あたしも何の約束か知らないし……。
「それって……りんねが怒ってることと関係あんの？」
「え……、あ、多分……」
「マジかよ……オレ、昔のこととか覚えてないよ……。
記憶力ないんだよね……」
「だっ、大丈夫だよ!!
あたしも手伝うからっ……!!
い、一緒に頑張ろう……？」
あたしがそう言うと、コハがあたしの方を見る。
……すると、また、いきなりあたしに抱きついてきた。
「ひゃあっ……!?」
「ショートありがとうーっ!!
今度お礼するっ!!」
「え、あ、うん……。
じ、じゃあ頑張って思い出そう!!」
「そうだな!!
じゃあ、思い出せる範囲で思い出してみるよ……」
それにしても……。
何かコハって誰かに似ているような……？
あっ……あさひと杜若を足して2で割った感じかも!!
ってことは、別に誰にも似てないってこと……？
なーんか……一人称はオレだけど、しゃべり方はあさひそっくりだよね。
あと、なんていうか……軽いって言ったら失礼かもしれないけど、そういう所は杜若に似てるかも。
……何の抵抗もなく、異性に抱きつくし。
…………コハって……好きな子とか、いないのかな？
後で聞いてみよう!!
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