とんがりボウシと魔法の365にち 〜ほしぞら魔法学校より〜 Part3
111話*りんねの意外な一面

「あ、ねぇコハ……」

「何?」

「覚えてることを順々に思い出してみたら?

何か思い出せるかも……」

「分かった!!

よし、思い出せオレ……!!」

コハがうーん、と唸りながら昔のことを思い出そうとしている。

……あ、そういえばゆうきはどうなったかなー?
あのあと直ぐコハが来たから……
ついていけなかったんだよね。

うー、気になるー。

「……何面白い顔してんだ?

お前……」

てんまが言う。

し、失敬な!!
面白いって何!?

「何でもありませんーっ!!」

「あー、そうですか」

何なのあの態度っ……!!
うーっ、ムカつくよ!!

「あっ、ちょっと思い出した!!」

「えっ!?」

あたし達が争っている間にコハは何かを思い出したらしい。

……何を思い出したんだろう?

「ショートとかはりんねってしっかりしてるイメージあるでしょ?

実はりんねって昔はすごくいたずら好きのやんちゃな子だったんだ」

う、うそーっ!?
りんねが!?

い、意外だ……。

「それでさ……5歳の時かな……

りんねが家の近くにある森に行こうって言い出してさ……。

理由が親にオレを連れ出して無断で遊びに行って、怒られて……

仕返しに親を心配させてやろうって……」

「へぇー」

超意外……。
あのりんねがそんなことを……。

「まあ、断る理由もなかったし……

りんねといるのはすごく楽しいから、行くことにしたんだ」

い、行っちゃったんだ……。
いいのかな……って、ダメだよね、うん。

そういう危なそうなのは止めてあげなよコハ……!!

「入ったのはいいんだけど……

迷っちゃってさ。

深い森じゃなかったけど……子供だからね。

道が分からなくなっちゃって」

……何だろう。
てんまの視線が痛い……。

「まあ、りんねの親を心配させるって目標は達成したんだけど……

帰れなくなっちゃってさ。

りんねは責任感じたのか分かんないけど、ずっと泣きながらゴメンって……。

あ、でもその後親に見つけてもらったけどね」

「そうなんだ……」

何か、りんねの意外な一面を知った気がする。
昔はやんちゃだったなんて……
信じらんないよ!!

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