コハは、だんだん少しずつ昔のことを思い出していき…… なんとなく二人の過去が見えてきた。 ……でも、りんねの言う約束事っぽいものは思い出せないらしい。 思い出したヤツも、そこまで重大そうなものでもなかったし。 「うーん……約束かぁ……。 どんな約束だったっけ……?」 「何か重大そうなもの……だと思うんだけど」 コハはまた考える。 「でも、何でそんな大切な約束を忘れちゃったんだ? りんねとの約束なんだろ?」 「そりゃ、そうなんだけど……。 まだ小学生だったし……」 「そうかもしれないけど…… 何で他のことだけ思い出して、その約束だけ思い出せないんだ?」 ……確かに。 てんまの言うことは合ってると思う。 りんねが大切に思っている約束なら…… きっと、コハにだって大切な約束であるはずだ。 ……なのに……、何で思い出せないんだろう。 こう言ったら失礼かもしれないけど…… 日常的なものの方が多いし。 そっちが思い出せるなら、約束だって……思い出せると思うんだけど……。 「うーん……約束かぁ……」 「もう諦めてりんねに聞きに行く?」 「いや、それはどうかと思うぞ……。 余計ショック受けちまうんじゃねーか?」 そ、そうだよね……。 りんねからしたら、そんなこと聞かれたらショックだよね……。 でも……コハ、全然思い出せそうにないし……。 どうしたらいいんだろう……。 「わ、分かんない……。 オレ……何の約束したんだっけ……? でも、りんねとこのままお別れなんてイヤだあああ!!」 ……お別れ……。 そっか……また、帰らなきゃいけないんだもんね……。 やっぱり、遠くにいるから今日やっと会えた…… って感じなんだろうし。 あたしはそういうの…… ちょっと分からないけど……。 遠い場所に住んでる人とか……いないし。 そういう人にとっては、今日みたいな日は、特別なんだろうなぁ……。 あたしがそんなことを考えていると、不意にてんまが何かを思いついたように言った。 「なぁ……、その約束ってーの…… 最後にりんねと別れた日なんかにしたんじゃねーか? そういうのって、よくあるじゃん」 ……た、確かに……。 「別れた……日……。 約束…………あっ……!!」 コハは何かを思い出したようだ。 ……これで、りんねと元通りになれるのかな……? [先頭ページを開く] [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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