とんがりボウシと魔法の365にち 〜ほしぞら魔法学校より〜 Part3
113話*コハネの過去

「…………分かった、かも……」

コハが言う。

や、約束……思い出したの!!??

「そうだ……お別れの時だっ……!!

約束……したの!!

えーと、てんま、ありがとう!!」

「え、いや別に……。

まぁ、約束思い出せてよかったな。

で、どんな約束なんだ?」

「あぁ……一旦、ほしくず魔法学校に来てくれる?」

コハが尋ねた。
あたしとてんまはそれに応じ、始まりと終わりの扉に来た。

「ちょっと遠いから、覚悟しておいてね」

遠いのか……。
まぁ、頻繁にりんねに会えなかった理由がそれなら頷ける。

あたし達3人はほしくず魔法に……
なんと1時間かけてやってきた。

「ほ、本当に遠いんだね……」

「うん。

ちょっとオレの部屋に来て」

またあたし達はコハについていく……。
部屋の前についたのか、コハは止まった。

「よし、入っていいよ」

「お、お邪魔しまーす……」

あたしはおずおずと中に入る。

……結構片付いてるな……。
あたしの部屋よりキレイかも。

「その辺座ってて」

「あぁ……」

コハ、どこ行くのかな?
なんて思っていると、すぐにコハが戻ってきた。

……片手に、何か持って。

「……これ、見て。

これが……『約束』」

そう言ってコハが見せたのは、小さなネックレスだった。

「……これさ、りんねのお母さんの形見なんだ。

あ、りんねのお母さんはりんねが6歳の時に亡くなっちゃって……」

え……、りんね、お母さんいないの……?

「りんねのお母さんは癌でなくなられたんだ。

その時りんねがお母さんからもらったんだって」

……ってことは、あれ相当大事なものだよね!!??

……何の、約束なんだろう。

「実は、オレも7歳の時に病気が見つかってさ……

発見が遅くて……危ない状態だったらしいんだ」

……え、いや、じゃあつまり……
それまで気付かなかったってこと?

……それって、大丈夫なのかな……。

「治療するために、遠くまで行かなくちゃいけなくなってさ。

だから……りんねと約束したんだ」

……約束……。

「絶対に元気になって戻ってくる……。

りんねのお母さんみたいなことにはならないようにする……って。

それで、りんねがお母さんが守ってくれるから持ってってって……」

そういうことだったのか……。
でも、大病を患っていたようには見えないんだけど……。

「……それと、元気になったら……

また、遊ぼうって……。

まぁ、もう昔みたいに遊べる年齢じゃないけど」

ま、まぁ……そうだよね。

「だから……これ、返さなきゃいけない。

もうオレはりんねのお母さんに守ってもらったから……」

「……そっか」

あたしとてんまとコハはまた、ほしぞら魔法学校に戻ることにした。

……コハが、12年前の約束を果たすために。

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