とんがりボウシと魔法の365にち 〜ほしぞら魔法学校より〜 Part3
114話*12年後の

あたし達はほしぞら魔法学校に戻ると、真っ先にりんねの部屋の前に。

「じゃ、いるかどうか確かめてみるね」

「うん。ゴメンよろしく」

あたしはドアをノックして、部屋に入る。
りんねは机に向かい、何かの写真を見ていた。

その写真には、りんねそっくりの顔立ちの、少し大人っぽい女の人が写っていた。
……あれは、誰だろう。

「……り、りんね……?」

「……!! ショート……?」

あたしがいたことに気付いてなかったのか、りんねはハッとしていた。

「あ、あのさ……コハが来てるんだけど……」

「……!! 会いたくない。
コハには帰るよう言っておいて」

「りんね……。

こっ、コハは……りんねとの約束を果たしに来たんだよ!!

そっ、それでも帰しちゃうの!?」

「……!!??」

りんねは驚いていた。

……無理もない。
忘れられていたと思っていた約束を果たすなんて……
それも、数時間で思い出したのだから。

「……りんね」

コハが部屋に入る。

「……約束のこと、忘れててゴメンね。

ちゃんと、思い出したから。

オレ……りんねのお母さんに……守ってもらえたよ。

ありがとう……りんね」

コハはさっきあたし達に見せた、りんねのお母さんの形見のネックレスをりんねに手渡す。
すると、りんねの目から一筋の涙が零れた。

「……コハ、どうして……」

「12年……経っちゃったけど……。

ちゃんと、約束……守れたよね」

「……っ、うん……!!

よかった……あたし、嬉しかった……。

コハがいてくれて……逝かないでくれて……よかったっ……!!」

……そっか……、コハは危ない状態だったんだもんね。
そりゃ、嬉しいよね……。

ていうか……、りんねとコハってどういう関係なんだろう。
すごく気になるなぁ。
ゆうきとあさひみたいに、幼馴染みなのかなぁ……。

「ゴメンね、コハ……怒ったりして」

「ううん、オレこそ約束忘れててゴメン……。

あと、ショートにてんま、ありがとう」

「えっ、い、いや……いいよ。

それより、よかったね、コハ」

「もう、大事な約束忘れるなよ、コハネ」

でも、本当によかった……!!

……それより……。
二人の関係は!?

「ねぇ、りんね」

「何よ?」

「りんねとコハって……本当に知り合いなの?

幼馴染みとかかと思った」

「え? 幼馴染みだよ?」
コハが言う。
すると、りんねの顔が少し赤くなる。

「……別に知り合いじゃないわけでもないでしょ」

……なんだ、幼馴染みだったのか。
ゆうきとあさひみたいだね。

まあ、この二人は付き合ってる訳じゃなさそうだけど……。

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