とんがりボウシと魔法の365にち 〜ほしぞら魔法学校より〜 Part3
95話*あさひ

「……よし、誰もいない、よね」

あたしは今、ゆうきの部屋のある階に来ていた。
一応、誰もいないし、今のうち!

……なんて、思っていたら。

「あれ、ショート何してんの?」

「あ、ああああさひっ!!!???」

「え、何、何でそんなに驚かれてるの僕!!??」

「ちょ、ちょっと来て!」

まさかこのタイミングであさひが来てしまうとはっ!
しょうがない、ここはとりあえず温室に逃げよう!

「な、何? 何で僕は驚かれた挙句

こんなところに連れてこられてるの?」

と、一人で頭に疑問符を浮かべているあさひ。
まぁ、何も知らないから仕方ないけど。

「あさひ!」

「え、あ、はい!」

「あのさ、ちょっと聞きたいことあるんだけど」

「え? うん、何?」

「ゆうきってさー、あさひの前で

素直になったこととかある?」

「え? 何で?」

「い、いいから!」

「うーん、多分、ないよ」

サラッと言ったよこの人……。
ていうか、やっぱりわかるんだね……。

「因みに、ショートが素直でない人だということも

知ってるよ!」

「そ、そこは知らなくていいですっ!」

あ、あさひにまで言われてしまった……。
あ、あたしそんなに素直じゃないかな?

自分ではあまり分からない……。

「で、それがどうしたの?」

「あ、いや、な、何でもない!

ちょっと聞きたかっただけだからっ!」

「そういうこと言って焦ってるショートは

大体ウソついてるよね」

「ち、違うよっ!

ほ、ホントに何でもないってば……っ!」

な、何でそんなにスグに見破るの!!??
ていうか、そこは口に出さないでおくとか
そういうのはないのかな!!??

「またゆうきと喧嘩でもしたの?」

「け、喧嘩じゃない!」

「じゃあまたいじられた?」

「……そーですね」

認めたくはないけれど。
事実は事実だよね……

「何されたの?」

「え、あ……うん、ちょっと」

い、言えないっ……!
言ったら自滅だ!

「……あとでゆうきに聞いてみよう。

そういうことだったらいつも教えてくれるし」

「聞捨てならないセリフがっ!!??

いつも教えてくれるって何!!??」

「え? えーと……色々」

あさひが視線をそらす。
ゆうき、絶対ロクでもないこと教えた!

「色々……ってなに?

あさひ、怒らないから教えて?」

「目が既に怒ってるよ!!??」

「大丈夫、危害を加えるのはゆうきだけだから!

さぁ、教えて!」

「う、えーと……言ってもいいのかなぁ……。

あのですね、この前……」

「この前?」

この前……ゆうきは何を教えたの?

「えーと……その、

ショートの…………を……」

「え? あたしの、何?」

「だ、だから……ショートの、好きな人を……」

「なっ……なななっ…………!!??」

ゆ、ゆうき……っ!
やっぱりゆうきに教えるんじゃなかったっ……!

っていうか、教えたくて教えたワケでもないのに!
きっと、ゆうきが自分から教えたんだろうね!
容易に想像できますよ、はい!!!!

「そっか……うん、どうも、ありがとう……」

「ショート、目に光が入ってませんが!!!???

闇に全て覆われてる気が!!!!」

「ちょっと来て!」

そしてまた、あたしはあさひを連れ出した。
ある人が、ある人達が、それを見ていたとも知らずに。

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