あれから30分がすぎ……。 カレーと称したものは、それとなく完成した。 ……怖いから、味見しないでおこう。 あの3人に毒味させてやろう!! あたしに昼食作り押し付けた罰だ!! 「これでよし……っと!!」 一応盛り付けまで完成。 まぁ、盛り付けした個数は3つだけだけど。 あの3人が美味しいって言ったら自分も食べる。 もちろん、美味しくないのに美味しいなんて言われないよう、毒味だということは秘密にしておくけどね。 「はい、どーぞ」 「……見た目は……普通だな」 「……普通で悪かったね」 豪華に盛り付けできなくてすいませんね!! 「…………ねぇ、ショート」 「何? あさひ」 「見た目はどうでもいいんだけど、味の方は……平気なの? まさか毒味……なんてことはないよね? 味見とか……したよね?」 あさひがあたしのしようとしてたことを見事に当てる。 ……いや、まだバレたわけじゃないんだからっ……!! 動揺しちゃだめだ!! 「そんなことあるわけないでしょー」 「……目はおよいでるし、声は震えてるし……。 味見……してないんだね」 わーんっ!! あたしのバカァッ!!!! 「……よし、じゃあここは……てんまに毒味してもらおう!!」 あさひが言う。 ……えぇっ!!?? あたし的にはあさひに一番毒味してもらいたかったんだけど……。 そそそれに……何でてんまなの!!?? 「賛成ーっ」 「何言ってんだよお前らはっ!!??」 てんまが慌てたように言う。 そ……そんなにあたしの作ったもん食べたくないの!!?? 「も、もういいよっ!! 3人にはもう一生ご飯作らないっ!!」 「ショート!!??」 あたしはその場から逃げるように駆け足で部屋を出た。 確かに味見しなかったのは悪かったと思ってる!! でも、そもそも無理やりあたしにご飯作らせたのはあの3人なのに!! 失礼にも程があるよ!! 第一、あたしのご飯は味見しなかったら食べられないの!!?? 「あさひと……っ、コハと、てんまなんか……っ、大っ嫌い!!」 もうやだ。 何であたしがこんな目に遭わなきゃいけないの? 「………………っ!!」 あたしは走る。 辛くて苦しい現実から、逃れるために……。 [先頭ページを開く] [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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