「……今更謝ったって、許してもらえないかもしれないわよ?」 「……それは、そうかもしれないけど……」 あさひが言う。 ……許さない、とは言い切れないけど……。 謝られたら即許す、とも言えない。 「許してもらえるとか、許してもらえないとかじゃない。 ……謝らなきゃいけないことをしたんだ。 だから、謝るんだ。 ……ゆうき、最後にアイツとどこであったんだ?」 ……てんま? 「お前の言った通りだよ。 オレらはアイツに無理矢理やらせて、それを食べなかった」 …………、謝ったって、事実は変わらないんだよ、てんま……。 「ショートが学生寮出てってから、オレら、ショートの作ったカレー、食べたんだ」 ……コハ? あれ……食べたの? あんなに嫌がってたのに。 「……別に、不味くなんてなかった。 むしろ、オレは美味いと思ったよ」 えっ……!!?? う、そ……だよね? 「苦手でも、一生懸命アイツが作ったんだ。 美味くないはずがないだろ」 てんまがそう言い切った。 その瞬間、あたしの頬には生温かい雫が伝った。 そして、顔が一気に熱を持つ。 ……見なくたって分かる。 あたしの顔は、真っ赤だ。 「……だってよー、ショート。 許してあげればぁ?」 「なっ……い、いたのか!!??」 「いるわよ? ほら、ショート、おまじない解きなさいよ!!!!」 や、やだっ……!! こんな顔、見られたくないっ……!! あたしがそう思っていても、ゆうきは透明になっているあたしの腕を上手に掴み、半時計回りに一回転させる。 「…………っ!!」 「……マジで、いたのかよ」 てんまの顔がひきつる。 「ショート、本当にゴメン!!」 「オレも、ゴメン!!」 あさひとコハがほぼ同時に頭を下げる。 「……悪かった。 でも、さっきのは忘れてくれ……」 そう言うてんまの顔はタコのように真っ赤だった。 「……しょうがないから、許してあげる」 「ほ、本当……? ありがとう、ショート!! 僕も、てんまと同じこと思ってたから、ね!!」 「あさひ、何気にそれてんまいじめてない?」 あたしはさっきのてんまのセリフを思い出し、また顔が熱くなる。 「あ、あさひぃーっ!! もうマジ忘れてくれぇーっ!!!!」 「てんまもショートも顔真っ赤だよーっ? 大丈夫ー? あははっ!!」 わ、笑い事じゃないよ、あさひっ……!! ふと、あたしはてんまの方を見てみる。 すると、てんまもあたしの方を見てきた。 また、身体中の温度が急上昇する。 「――――……っ!! な、何、見ないでよっ……!!」 「お前こそ……っ!! こっち見てんじゃねぇよ……っ!!」 あたしとてんまはそう言ってそっぽを向いた。 すると、ゆうきやあさひ、コハまでもが笑う。 な、何だよーっ!! うぅっ……恥ずかしくて死にそう!! [先頭ページを開く] [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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