とんがりボウシと魔法の365にち 〜ほしぞら魔法学校より〜 Part3
126話*好きなんですか

あれから、あたし達は学生寮に戻った。

――……でも。
りんねは一向に帰ってくる気配がない。

学生寮に戻ってきた時も、誰かが入った形跡はなかったし……。
りんね……どこに行ったのかな。

「りんね帰って来ないねぇ……」

コハが言う。

「どこに行ったのかしらねー」

「ゆうきはスグ見つかるような場所にいたけ……何でもないよ」

ゆうきが鬼のような目で睨んできたため、あたしはそれ以上言わないでおくことにした。

……本当に、どこに行ったんだろう……。

「うー……りんねー……どこにいるんだー……」

「そ、そのうち帰ってくるよー」

りんねだって、ご飯食べなかったら死んじゃうわけだし。

…………そういえば、りんねは自分でベリー育てていたような……?

「……あ、ねぇコハネ!!」

「……何、ゆうき」

「あのさぁ、コハネってりんねのこと好き?」

「好きだよ? だって、友達だもん」

ゆうきがドベッ、と音を立てて椅子から転げ落ちた。

「そうじゃないわよ!!

ショートといい、コハネといい、何で質問の意味を理解できないの!!??」

「何であたしがでてくるの!!??」

「アンタも同類よ」

どっ、同類って……!!
どういう意味!!??

「……じゃあ、それ以上には思ってないの?」

「意味がよく分からないけど、そうだと思うよ」

意味が分からないのに肯定するって……!!

「……ふーん……、何だ、つまらないわね」

「ゆうき、お前な……」

ていうか、結局どういう意味だったの?
あたしもよく分からないんだけど……。

「うーん……結局どういう意味だったんだろう……」

未だ理解していないコハ。
……あたしもだけど。

「……ところでショート、何でアンタまで頭にはてなマーク浮かべてるわけ?」

「えっ、いやだって……ゆうきの言ってた意味が分からなくて……」

すると、ゆうきどころか、てんまやあさひまでが転けた。

……あれ?

「あ、アンタもなのっ……!!??」

「だよねー、オレも分かんない……」

「うんうん。あたしも全く分かんない!!」

「……まさかここまでとは」

「重症だよね……」

分かんないものは分かんない!!

「……はぁ。

まぁいいわ。あたし、りんね探してくる。

アンタらはここにいなさい」

「えっ……ゆうきの低脳じゃりんねは見つからな……痛い、痛いよゆうき!!

髪の毛は引っ張るものじゃないよ!!」

「……懲りないわね……!!

そういうどうでもいいことは素直に言わなくていいのよ!!」

「……ゆうきだって、あたしのこと悪く言う時だけ素直じゃん……!!」

「うるさいわよ」

「いっ、痛いってばぁ!!」

ゆうきは更に強く引っ張る。

髪の毛抜けたらどうしてくれるのーっ!!

「……じゃ、行ってくるわね」

そう言ってゆうきは出ていった。

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