あれから、あたし達は学生寮に戻った。 ――……でも。 りんねは一向に帰ってくる気配がない。 学生寮に戻ってきた時も、誰かが入った形跡はなかったし……。 りんね……どこに行ったのかな。 「りんね帰って来ないねぇ……」 コハが言う。 「どこに行ったのかしらねー」 「ゆうきはスグ見つかるような場所にいたけ……何でもないよ」 ゆうきが鬼のような目で睨んできたため、あたしはそれ以上言わないでおくことにした。 ……本当に、どこに行ったんだろう……。 「うー……りんねー……どこにいるんだー……」 「そ、そのうち帰ってくるよー」 りんねだって、ご飯食べなかったら死んじゃうわけだし。 …………そういえば、りんねは自分でベリー育てていたような……? 「……あ、ねぇコハネ!!」 「……何、ゆうき」 「あのさぁ、コハネってりんねのこと好き?」 「好きだよ? だって、友達だもん」 ゆうきがドベッ、と音を立てて椅子から転げ落ちた。 「そうじゃないわよ!! ショートといい、コハネといい、何で質問の意味を理解できないの!!??」 「何であたしがでてくるの!!??」 「アンタも同類よ」 どっ、同類って……!! どういう意味!!?? 「……じゃあ、それ以上には思ってないの?」 「意味がよく分からないけど、そうだと思うよ」 意味が分からないのに肯定するって……!! 「……ふーん……、何だ、つまらないわね」 「ゆうき、お前な……」 ていうか、結局どういう意味だったの? あたしもよく分からないんだけど……。 「うーん……結局どういう意味だったんだろう……」 未だ理解していないコハ。 ……あたしもだけど。 「……ところでショート、何でアンタまで頭にはてなマーク浮かべてるわけ?」 「えっ、いやだって……ゆうきの言ってた意味が分からなくて……」 すると、ゆうきどころか、てんまやあさひまでが転けた。 ……あれ? 「あ、アンタもなのっ……!!??」 「だよねー、オレも分かんない……」 「うんうん。あたしも全く分かんない!!」 「……まさかここまでとは」 「重症だよね……」 分かんないものは分かんない!! 「……はぁ。 まぁいいわ。あたし、りんね探してくる。 アンタらはここにいなさい」 「えっ……ゆうきの低脳じゃりんねは見つからな……痛い、痛いよゆうき!! 髪の毛は引っ張るものじゃないよ!!」 「……懲りないわね……!! そういうどうでもいいことは素直に言わなくていいのよ!!」 「……ゆうきだって、あたしのこと悪く言う時だけ素直じゃん……!!」 「うるさいわよ」 「いっ、痛いってばぁ!!」 ゆうきは更に強く引っ張る。 髪の毛抜けたらどうしてくれるのーっ!! 「……じゃ、行ってくるわね」 そう言ってゆうきは出ていった。 [先頭ページを開く] [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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