とんがりボウシと魔法の365にち 〜ほしぞら魔法学校より〜 Part3
127話*髪の毛とか育毛とか脱毛とかハゲとか

……うぅ。
ゆうきに髪の毛引っ張られたせいで頭が痛いよ……。

しかも、せっかく結んでたのに、ほどけそうだし……。

「ショート、髪の毛グッチャグチャだよ」

「うん……知ってるよ……」

ゆうきにさっきやられたからね!!!!

でもクシないし……。
手だけじゃ上手く結べないし……。
このままほうっとくか!!!!

「……で、何する?」

「……何しようか」

やることがない。
どっか行ってもゆうきに怒られるだろうしなぁ……。

「ところで、コハネは本当にりんねのこと友達以上には思ってないのか?」

「……? うん」

「……言ってる意味理解してないのにうんって言うなよ……」

「あはは……じゃあどういう意味?」

「……りんねのこと、特別に好きかってこと。

異性として好きだと思うか?」

「さぁ?」

さ、さぁってコハ……。

ていうか、そういう意味だったんだね!!

「……ショート、今理解したって顔してるけど、本当に今の今まで理解してなかったんだね……」

「い、いいじゃん……っ!!」

「だよね、分からないよねー。

オレも今やっと理解した」

「そっ、そうだよね!!

きっとあの二人がおかしいんだよね!!」

「そうそう!!」

あたし達は普通だよね!!
そんなこと理解できるほうがおかしいんだよね!!

「……おい、あさひ。

この重症な鈍感二人を何とかしてくれ。

果てしなくやりづれぇ」

「ボクには無理だよー。

ていうか、この二人の頭がどうなってるかがすごく気になるよ……」

む?
あたし達は普通だよ!!

「正直、コイツと同レベルの鈍感に会えるとは思ってなかった」

「……だよね。

まぁ、ショート何においても鈍感だと思うけどね」

「な、何でよーっ!!??

あたしそんなに鈍感じゃないよ!! ……多分」

「………………」

て、てんま……その哀れな目で人を見るのやめて……!!
なんか悲しくなってくる……!!!!

「それにしても、ゆうき遅いね」

「やっぱり見つからないのかな?」

「まぁ、ゆうきの低脳じゃあちょっとね……」

あたしがそう言うと、誰かに髪の毛を捕まれた感覚がした。

…………え?

「誰が低脳ですって……?」

「ゆ、ゆうき……!!??

あ、ちょ……ハゲるから!!

ひ、引っ張らないでよ!!」

「……ったく。次言ったらそのツインテール切り落とすから」

「ごめんなさい!!

もう言いません!!」

ゆうき……怖すぎるよ!!

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