とんがりボウシと魔法の365にち 〜ほしぞら魔法学校より〜 Part3
129話*先なんて知れてるって

――あれから数十分……。
ゆうきは未だ帰って来ず……。

「今思ったんだけど――……」

不意にあさひが言う。
何だろ……?

「ショートって外見もアレだし中身的には素直じゃないしで……。

いいとこなくない?」

……あれ、あたし今……かなり貶された?
いいとこなくないってどういう意味……!!??

「それこそてんまの気がしれな」

「それ以上余計なこと言ったらゆうきがお前のことを尚更嫌いになるようにするぞ」

「ごめんなさい!」

…………?
何の話……?

「ま、まぁショート……そういう趣味を持つ変態さんもいるだろうから需要はあるよ」

「すごく嬉しくない!!!!」

そういう趣味って何!!!???
またあたし貶されてるんじゃ!!??

「ていうかさー、そう言われたくないなら何かしたらいいのに……」

「な、何かって……?」

「例えば髪形変えてみるとか。

ツインテールっていうとツンデレとか幼いっていうイメージが……。

まぁショートは両方だと思うけど」

う……。
た、確かにそうかも……。

「じゃあさ、なんかもう既にぐちゃぐちゃになっちゃってるし、髪の毛おろしたら?」

コハが言う。
確かにこのままだとみっともないかも?

「う、うん……分かった……」

あたしは髪の毛を結んでいるゴムに手をかけ、引っ張る。
すると……ブチブチィッ、というイヤな音がする。

「い……いったぁーいっ!

ゆ、ゆうきめっ……なんてことを……!!」

明らかにこの原因はゆうきだっ……!!
絶対あのときにやったんだ!!

ていうか、どんだけからまってんの!!??
全部とれないんだけど!!!!

……あたしが悪戦苦闘していると、あさひ達は苦笑していた……。
そして、次の瞬間、あたしの手を何か温かいものが包んだ。

「へ……」

「お前見えてないのに無理やり引っ張ったらかなりの量の髮が抜けるぞ」

「て……てんま…………!!??」

てんまがあたしの手を止めて言った。

「手ぇどかせ。

俺がやってやっから……」

「う、うん……ゴメン…………」

心臓の音……うるさい…………。
こんな至近距離じゃ、てんまに聞こえちゃうよ……。
お願いだから、静まって……。

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