とんがりボウシと魔法の365にち 〜ほしぞら魔法学校より〜 Part3
131話*再びホモですかホモですね

……することもなくただつったっているだけで数十分が経過した。
正直退屈だしこれ以上このままでいたら気が変になりそうだ。

「はぁ……ホントにやることないよね……」

「うん……。ゆうきまだかなぁ」

「まだどうせ探してるだろ……」

だよね……あのゆうきに人を探し出す能力なんかあるわけがない。
というかあったら吃驚だよ。

「もういっそコハが探してきたら? それで仲直りすればいいと思うんだよ」

「え!?」

「あー、それでいいじゃん」

「りんねと仲直りしたら誰かを探す必要もなくなるしな」

「ちょっ……何でオレ!!??

見つけたところで殴られて終わりに決まってるじゃん!」

……りんねは暴力キャラじゃなかったような?

「いやいやショート、ショートとゆうきの喧嘩をしずめる力があるからコハネ一人殴るのくらいりんねにとっては容易いことだよ」

「そっかぁー……って待ってよあたしが出る必要ないよ!

だってあたしがやられて終わりだもん!」

というか読心術!!??

「なんだその残念な喧嘩もどきは」

ゆうきに力で敵う人なんていないと思うよ!

「まぁ……そんなわけで行っておいでよコハネ。

僕たちはここで応援しててあげるからさ」

「どういうわけ!? 応援なんかいらないからせめて探すのくらい手伝ってよ!」

「えー……めんどくさい……」

あさひとコハが言い合いみたいなものを始める。
でもコハがいなくなったところでこの退屈さは変わらない気がするしなー……。

だったらいっそ、コハの手伝いしたほうが退屈しないよね。

「分かった、あたしりんね探すの手伝うよ!」

「え? 急にどうしたのショート」

「いろいろ考えたんだけど、残ったあたしたちは結局この退屈な状態が続くわけでしょ?

だったらいっそ、探すの手伝ったほうがいいかなって!」

「確かにオレらの状況は変わらないな……」

「そうだけど……めんどくさ……。あ、じゃあやっぱり僕帰るよ!」

「えっ、あさひセコくない!!??」

「そんなことないよ! 実は今日ハロゲンデパートで半額セールやるから、行かないといけないんだよね〜」

「な、何それ……! あたしも行きたい……!」

「ショートはオレの手伝いしてくれるんでしょ?

というわけで行くよー」

そう言いながらあたしのことを引きずってあさひから離すコハ。

ひどいーっ!
あたしもApple魔法学校のハロゲデパートに行くんだぁーっ!

「で、てんまはどうするの? 帰る?

まぁ帰るとはいってもここほしぞら魔法学校だけど」

コハがてんまに尋ねる。すると、あさひがてんまの後ろにまわって言った。

「てんまはショートとコハネのこと2人きりにしたくないから当然コハネについて行くんでしょー?」

「な、あさひ、お前何言って……っ!!??」

てんまの顔がポストのように赤くなる。

……なるほど、つまりてんまはコハのことまでも……。
そんなに男の子が好きだったのね、てんま………………。

「おいそこのピンク頭。何かおかしなこと考えてないか?」

「え? いいいいや別にな、何も?」

「挙動不審だよショート」

てんまとコハが詰め寄る。
何でバレるんだろう。

いやでもここはてんまのために言わないでおいてあげないとね。

「そ、そんなことないよっ! とりあえずりんね探すぞー!」

「………………後で無理やりにでも聞き出そう、コハネ」

「……うん」

てんまとコハが何か言ってるけどあたしには何も聞こえなかった!
聞こえなかったよ!

さーて、りんね探すぞ頑張るぞーっ!

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