とんがりボウシと魔法の365にち 〜ほしぞら魔法学校より〜 Part3
134話*海の中

……や、ば――――い、かも……。
息できない……。

まぁそりゃそうか。海の中だもの。
おまけに服着たままだし……これは本格的にやばい!

泳げないわけじゃないけど、服着てて重いから泳ぎづらい。
しかもその重みでどんどん沈んでいく。

――――――これは、まさかの……死亡フラグ?

なんてことを思っている間に、あたしの体はどんどん海の底へ沈んでいく。
どうしよう、ホントにやばいっ……!

「――――――……!」

そう思っていたら、誰かに腕を引っ張られたような気がした。
誰だったのかは見えなかったけど――――……。




「………………ろ、おい…………!

起きろ!」

「ふあっ!? な、何!?」

突如耳に怒鳴り声が。

「な、なんだてんまかぁー……ん!? 何でてんまがいるの!!??

あたし確か海で……」

「死にそーになってたな」

「そうそう! ってあれ、何で知ってんの? じゃなくて何で生きてるの?」

あれ間違いなく死んだと思ったんだけど。

「……お前って、バカだよな、ほんとにバカだよな」

「えっ? えぇ? 何でいきなりバカだと言われなきゃいけないの!」

「もういろんな意味でバカだよ……フツーこの時期海に入るとか思わねーし、いくら挑発されたからって探しに行くか?」

「な、ななな……っ、てんまが言ったんじゃん!」

まさかやれ、と言ってきた本人にこんなこと言われるなんて思ってもいなかったよ!

「……くしゅんっ! そ、そーだ……今春だった」

「……ったく、お前のアホさ加減には呆れるよ」

てんまはそう言うと、さっきまで着てたパーカーをあたしにかぶせた。

……あれ?
そういえばてんまも服濡れてる……?
何でだろ。

「てんま……」

「なんだよ」

「何で、てんまも服濡れてるの……? 水遊びでもしたの?」

「……んなわけねーだろ。お前には関係ない」

「なっ……! いいじゃない、教えてくれたってー!」

ホントてんまって意地悪だよね!
別にそれくらい教えてくれたっていいじゃんか!

「うっせーな……お前のせいでこうなったんだろーが」

「な、何であたしのせい!? あたし何かした!?」

少なくともてんまに挑発されて海に入った覚えしかないんだけど。
てんまも海入れなんて言った覚えないし……何で?

「お前が海で溺れるとかダサイことにならなきゃオレはこんな目に遭わなかったんだけど」

「………………も、もしかして……てんまが、助けてくれたの……?」

「……まぁ、オレが挑発したってのも……原因の一つな気がした、から……」

信じられない。
むしろザマーミロって思ってるかと思った。

……やっぱり、少しは優しいところあるのかな……。

「えへへ、ありがとう。とりあえず、りんね探しに行こっか」

「そ、そうだな」

――と、そんなこんなであたしたちは海を去った。
……でも、りんね本当にドコいるんだろう……。

ていうか、これだけ探しても見つからないとか、りんねってばかくれんぼの天才?
それとも……ただ単に影がうすいだけ……?

「……で、どこ探しに行こうか?」

「とりあえず商店街探そうぜ。近いというかココだし」

「あー、そうだね。わざわざ遠くまで行くのは面倒だし……そっちのほうが効率いいかも」

と、そんなこんなであたしたちは商店街を探すことにした……。

[先頭ページを開く]
[指定ページを開く]


<<重要なお知らせ>>

@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
@peps!・Chip!!は、2024年5月末をもってサービスを終了させていただきます。
詳しくは
@peps!サービス終了のお知らせ
Chip!!サービス終了のお知らせ
をご確認ください。



w友達に教えるw
[ホムペ作成][新着記事]
[編集]
無料ホームページ作成は@peps!
無料ホムペ素材も超充実ァ