とんがりボウシと魔法の365にち 〜ほしぞら魔法学校より〜 Part3
136話*誤解です

…………と、そんなこんなで今に至っている。
トメさんがあんなにてんまのことを気に入っていたこともビックリしたけど、躊躇いなくトメさんに小銭とキスさせたてんまにもビックリだよ!
ひどすぎるね!!!!!

「……で、次はどこ行くんだよ?」

「デパートが近いし、デパート行こうよ」

「わかった」

……デパート…………。
そういえば今朝、目覚まし時計壊れちゃったんだよなぁ……。

ホントは新しい時計探したいところだけど、りんねを探すの優先だよね……。
時計ないと、朝起きれるか不安だけど、りんねがいないとご飯が食べれない。

ゆうきは人並みの料理スキルはあるものの、あの性格だから、自分の分しか用意しないと思う。

あたしは……男子よりできないし。
てんまも上手とは言えない……らしいし。

「おい、そのまま行くと壁にぶつか――――……」

てんまの注意をよそに、考え事をしていたあたしはゴチッ、という豪快な音とともにデパートの壁にぶつかった。

「い、いてて……」

「…………お前はアホなの?」

「そ、そんなことは――」

ない、と言おうとしたところで先ほど起こったことを思い出した。
そう、海で溺れたことだ。

少なくとも、きちんと注意していればあんなことにはならなかったと思う。

「……なくもなくなくなくない」

「どっちだよ」

両方否定しないということだよ。
どっちだ。

「まぁいいや。ほら、行くぞ」

「はーい」

そんなこんなでデパートの中に。
りんね捜索中故に、買い物は我慢。
お金はあるのになぁ……。

「ここは来てないらしい。次行くぞ、次」

「ま、待ってよー」

既にピカードさんにりんねが来たか聞いてしまったらしく、てんまはもう出入口のとこに……。
せっかちにも程があるよ!

あたしがノロマ……とかそんなことはない、と思う!
思うだけだけど!

「次は……ライムライトが一番近いよね」

「そうだな……とりあえず行ってみるか」

と、あたし達はライムライトの店内へ。

ライムライトっていろんな曲が流れるからいいよね!
ベリーのジュースも美味しいし!

「……あら、いらっしゃい。

今日はてんまとショートだけなのかしら? もしかしてデート?」

「………………!?」

「ち、違いますよ! あたし達はただりんねを探してるだけで!

たまたまです! こんなやつとデートなんかしませんよ!」

……って、ハッ!
あたしってば何てことを……!

でももう後戻りできないよ……あたしのバカ……。

「そうなの? でもてんまは」

「ああああああああああああ違います何でもありません言わなくていいです!!!!!!!」

「……!? てんまどうしたの?」

「あら、ショート知らないの? というかてんまはいつまで言わない気なの?」

「うわああああああああああ黙ってくださいマジで!!!!!!!!!!!!!!!!!」

………………?
よく分かんないけどてんまも大変そうだね。
てか、知らないって何がだろ?
それに、言わない……って何のことなんだろう。

「てんま、あたしに何か隠し事でもしてるの?」

「してねぇよお前も黙れ!」

「……でもメルシィさん今言わないとかなんとかって」

「……ホントに知らないのね……今度一人で来た時にでも教えてあげようかしら?」

「やめてくださいよ! 言わなくていいです!」

やっぱり何かあるんだ……。

「てんまのことは無視してください、今度来るんでそのときに教えてください!」

「あら、いいわよ」

「うわあああああホントやめてください!」

てんまがこんなに慌てるとは……一体何を隠してるんだろう。

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