結局あれから数十分、あたしとゆうきは ずっと喧嘩をしていた。 「つ、疲れた……」 「き、今日はこれくらいにしてあげるわ……」 「喧嘩にそこまで体力使うなんてね……」 あたしはいつでも本気だよ。 ……多分。 「ていうか、僕は結局なんのために来たの……」 「あー、それもそうだね……。 折角だから、ゆうき言ったらどうですかー」 「お断りさせていただきます」 ……チッ。 言ったら言ったで面白そうなのに。 「じゃあ分かった」 「何?」 ゆうきは急にニヤニヤしながら あたしに言った。 「ショートがてんまに『好き』って言ったら 言ってあげてもいいわよ?」 「……やだ」 「じゃああたしも言わなーい」 ず、ズルい……っ! 言ったところでどうにもならないっていうのにね! 「……って、そういえば! ゆうき、アンタね!」 「何よ」 「何でもかんでも言いふらさないでよ!」 「何がよ」 「聞いたんだから! ゆうきがあさひに色々教えてるって! イチャイチャするのはいいけど、 他人の秘密勝手にバラすなバカーッ!」 「い、イチャイチャしてないわよっ! 変なこと言わないで!!!!」 「ゆうきヒドい……」 涙目になるあさひ。 するとゆうきは怒った口調で言った。 「アンタも一応男なんだから そんくらいで泣くなっ」 「ゆうきは女なのに男らしすぎるよ……。 2人が将来結婚するならゆうきは婿になればいいと思うよ……」 「ワケ分からないこと言ってんじゃないわよーっ!!!!」 ホントに、男勝りすぎて困っちゃうよ。 少しは女らしくできないのかな。 「……そんなこと言ったら、 アンタは外見女じゃないわね」 「それは言っちゃいけないよっ!!??」 なんてことを言うんだゆうきは! ……気にしてないんだから! 「……そこまで何もないといっそ清々しいわ。 今までイヤがらせしてその外見じゃ 確かにてんまに嫌われてもおかしくないですね!」 「う、うるさいっ! ゆうきのバカ!」 あたしはゆうきを思い切り押した。 その先にはあさひがいて。 きっとほんの一瞬のことだったはずなのに。 止まって見えた。 あさひはゆうきを受け止めたけど……その瞬間、 2人の唇が重なった。 ――所謂、事故チュー、ってやつ [先頭ページを開く] [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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