とんがりボウシと魔法の365にち 〜ほしぞら魔法学校より〜 Part3
100話*お手伝い? 強制労働?

あたしは暫く、りんねを探していた。
それというのも、使えないてんまのせいで
こうなっているわけなんだけど。

「うーん……あれ?

あれってりんね?」

あたしは目を凝らして見てみた。
やはり、りんねだった。

「おーい、りんねー!」

「あら、ショート。

丁度いいとこに来たわ」

「えっ?

っていうか、何か用事があったんじゃ?」

「えぇ、いつまで経ってもショートが来ないから

もうあたしがやろうかと思っていたとこなのだけれど

そこにショートが来たから丁度ってワケ」

「そ、そうなんだ。

で、何の用?」

「ちょっとこれもってってくれない?」

りんねが指差したのは、大量の
家電製品だった。

……これを、どこに?

「ほら、学生寮の1階に、ゴミ箱あるじゃない?

そこにこれ入れといて」

「自分で行く気とかは!!??」

「……今日の夕飯、ショートの嫌いな物にしようかしら」

「ごめんなさい、行かせていただきます!」

なんてことを!
りんねやっぱり怖いね!
ゆうきほどイヤじゃないけど!

「でも、何でこんなに家電製品が?」

「こないだ掃除したら、使えなくなってね。

掃除機とかあるでしょ?

他に昔のものとか」

「そうなんだ。まぁ行ってくるね!」

あたしはとりあえず軽そうなものから
運んでいった。

とはいえ、家電製品故、そこそこ重いわけだけど。

そして数十秒後、あたしは段々運ぶものが
重くなっていくにつれて、
疲れがたまっていった。

こんなことなら重いものから運べばよかった。
後悔先に立たずだね……。

「よっこらせ……っと」

「お前、何で2階にいんだよ」

すると目の前には使えないてんまが。
何だかよく合うな。
いやそうでもないかな?

「いや、あたしは今日の夕飯が嫌いなものに

ならないよう努めているとこなんだけど。

むしろ、何でてんまがいるの?」

「オレは千夏をかえしてきたんだよ」

「ふーん……」

あたしは少し胸がモヤモヤした。
けど、それはしょうがない。
しょうがないんだよ。

「つか、そのゴミみたいの何だよ」

「正真正銘、ゴミですが。

ゴミ箱もってけって言われたの」

「ふーん……あっそ」

「というわけであたしは忙しいからじゃーね!」

ていうか、喋って無駄な労力使っちゃった?
とりあえず、さっさと終わらせよう!

「って、うわ、これ階段つっかかる!

何でりんねは2階に住んでるんだ〜!!」

と、わけ分からないキレ方をするあたし。
うーん、縦にしたら持ってけるかな?
あ、でも持てそうにないよ!
ここはやっぱり、おっことす?

そんなことを考えてると、てんまが
それを奪うように取った。

「お前じゃどーせこれ持ってけないだろーから、

オレが持っていってやるよ」

「なっ……! そんなことないんだから!」

「ウソつけ、お前明らかに持ってけねーからって

落とそうとしてたじゃねーか」

「な、何でわかっ……ち、違う!

そんなことない!」

「あー、はいはいそうですね」

何なのあの顔はっ……!
絶対あたしのことバカにしてるよね!!!!

「ったく、お前はもう少し素直になれねーのかよ」

「うぐっ……」

「ほら、お前は他のもってっとけ」

「むー、分かったよー」

……でも、どうしてだろう……。
さっきまでのモヤモヤが、晴れた気がする。

でもでも、何か負けた気分っ……!
あたしがバカにされたよーなことと……
……自分が、どんどんあのバカのことを
好きになっていってしまっている、ことが……。

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