1/8ページ目 時間を超えて、時空を超えて。いろんな世界を渡り歩く。そう、あるものを探すために……ーー 「フゥ。やっと着いた〜。」 氷梗(ひきょう)は一息つくと、上を見上げた。天に向かいそびえたつ黒い塔。そう、この国から“黒”という色は生まれた。 その名も“影の国”。それでも昔は灯があったが、今はなくなっている。氷梗はこの前行った“千年国”で手に入れた『音花(ねか)』を入れた袋を担いで歩き始めた。 「しっかし暗い…。これじゃ何も見えな…ん?」 灯の無い道の真ん中に、小さく光を放つものがひとつ落ちていた。 「なんだ…これ。…指輪?」 拾ったものは黒い、バラの刻印指輪だった。 (けっこーな指輪だな…。何でこんなもんが道の真ん中に…。) そう思い眺めてから胸ポケットにしまうと、氷梗はある家に向かった。 人影がまばらな街をとりあえず迷わずたどり着くと扉を叩いた。 「すいませ〜ん。どなたかいらっしゃいませんか?」 「ハァーイ」 扉が開くとそこには少女が立っていた。 「あー、氷梗お兄ちゃん!!」 「わぁ、日向。ずいぶん大きくなりましたね〜。元気でしたか?」 「うん。あ、あがってってよ。」 「ありがとう。」 氷梗は日向に背中を押されて中に入った。 「お兄ちゃん、ずいぶん会ってなかったよね。何年ぶりだろ…五年ぶりかな?」 「そうですね。」 「あら?声がすると思ったらひーちゃん来てたのね。」 「あ…里沙おばさん、こんにちわ。」 「まぁまぁ…背が伸びて…本当に大きくなったわね。さ、今日はもう夜だし泊まっていきなさい。」 「じゃあ、お言葉に甘えて…。」 [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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