桜の間

♪青春クローバー
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バタバタバタバタ…私は走る。
「後、もう少し…。」
ハァハァ息をきらして。私は走る、そう…ある場所を目指して。
「めんどくさいなぁ…もっと近ければ…。」
すると、カンカンカンカン…と踏み切りの音。
「あ…あ…」
だんだん閉まっていく。その音を響かせて。
ついに踏み切りは、私が着いたと同時に目の前で閉まった。
そして私は顔がみるみるうちに青ざめて…そして叫ぶ。
「あーーーーーーーーーーーー!!!!」

私の声は今日も虚しく青空に吸い込まれていく…。


「あーあ…また遅刻か…。」
ハァとため息をつきつつ、私、草川雪葉(くさかわ ゆきは)は辺りを見渡した。
ここは昇降口。私が何故こんなとこにいるのかと言うと、さっき呟いた通り、遅刻して今ここに来た所だからである。
実は、私は中2になったと言うのに今までまともに時間以内に来れたことがない。
そのため、私はいろんな先生や風紀委員会の生徒、生徒会役員に目をつけられている。
本当にお仕事ごくろうなこった。

周りを確認して、先生や生徒会役員などがいないことを確かめる。
チャンスは今しかない、いざっ!!!
そう決心して、私はげた箱の影から忍び足で廊下へと踏み出した。できるだけの全速力で廊下を駆け抜け、階段にたどり着く。
一応、周りを確認。よし、いないな…。
ふぅ、と一息ついてから階段を登る。
だが、私はこのときすでに失敗していたのだ。そもそも奴らがこの行動に気付かないわけがなかった。そして私が下からの視線に気付いたときにはもう遅い。
「そこで何してるのかな?草川君。」
後ろから響く声にバッと振り向く私。
そこには、私の天敵ともいえるヤツが私を見据えていた。私は冷や汗を流しながら返事をする。
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