1/1ページ目 「行ってきまーす!!」 六月一日…ーー今日も青空の中を雲が走るかのように、私は自転車に飛び乗り家を出発した。 勢いよく坂道を下り、信号を左折していく。 生暖かい風が私の横を駆け抜けていく。吸い込んでみるとほんの少しだけ雨の匂いが感じられた。 そうしてしばらく走っているとあるお店が見えて来る。私の好きな『駄菓子屋』だ。 …だが今回、問題はそこではない。正確にはその隣…いや『間』にあるのだ。 それは駄菓子屋とあるアパートの駐車場のすき間にある細い路地だった。私はいつものように自転車を道の脇に止め、そこに入っていく。 そして、私がここに来る理由はただ一つ…。 「やっほ〜!!皆、元気ィ〜?」 私が路地裏に現れると皆が「にゃあ」と言って寄って来た。 そう…ここは猫の住みかなのだった。 「ほら、たんとお食べ。」 私は皆の前に餌の入った銀のケースをおいた。 その瞬間、一斉に皆が我先にとケースに群がる。 「そんなに慌てなくても…。」 と私がしゃがみながら独り言をつぶやいていると、白猫のシロが私の所へやって来て「にゃあ」と鳴いた。 「どうしたの、シロ。」私はその子を抱き上げた。シロは私の膝の上でおとなしくしていたが、目だけはしっかりケースの方に向けられていた。 ここには5匹の猫が住んでいた。ここのボス的存在であるどら猫のトラ(♂)、しっかり者で面倒見のいい黒猫のクロ(♀)、遊ぶの大好きでお調子者である黒ブチの入った猫ブチ(♂)、いろいろな物にすぐ興味を示す、恐いもの知らずのペルシャ猫のタマ(♀)、そしてタマとは逆に怖がりで臆病な白猫のシロ。 [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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